私ども30代にとって「流行りの歌をヒットチャートでチェックするのは古い」という話は衝撃的であります。
「最近のヒット曲って何?」
そう聞かれて、すぐに答えを思い浮かべることのできる人は、どれだけいるだろうか? よくわからない、ピンとこないという人が多いのではないだろうか。
かつてはそうではなかった。昭和の歌謡曲の時代も、90年代のJ−POPの時代も、ヒット曲の数々が世の中を彩っていた。毎週のヒットチャートを見れば、何が流行っているのか一目瞭然だった。テレビの歌番組が話題の中心にあった。
でも、今は違う。シングルCDの売り上げ枚数を並べたオリコンのランキングを見ても、それが果たして何を示しているのか、判然としない。流行歌の指標がどこにあるのかわからない。それが今の日本の音楽シーンの実情だ。
昔は情報チャネル(情報源)がテレビくらいしかなかったのでみんな同じ趣味を持っていましたが、最近は多様性の文化で人の好みも様々です。
こうなってくると「今は何がスタンダードなのか」を判断しようとするおっさんは混乱します。流行に対する嗅覚は18歳をピークにどんどん衰えていきますので、生活の中で流行りものに触れる機会が1mmもないおっさんにはどうやったら流行についていけるのかがわからなくなってしまうのです。スマホで「今年 流行 歌」と検索するのもなんか違います。
10代の人にとっては「なんてバカな悩みなんだ」と思うだろうけど30代にとっては深刻なんだからね。情報が多すぎて何をおさえたらよいかわからないんだよ。
そこでチェックしたいのが、流行の発信基地である10代女子がメインユーザーであるという動画アプリ「mixchannnel(通称:ミクチャ)」です。
引用:mixchannel
↑ミクチャには踊ってみた動画がたくさんアップされてます。
余談ですが私のこと
私は昔から流行に興味がなくて、ドラマは通しで見たことがありません。それより同じものを何度も見るのが好きで、幼いころはディズニーの短編アニメーションをVHSのテープがすりきれるほど繰り返し見ていました。ちなみに昔はDVDじゃなくてVHSというテープに録画するのが主流で、見るほど画質が悪くなるという欠点があったんですよ。
そんな性格だもんで今でも家にテレビがありませんが、ブログを書いていて「俺、最近のこと何も知らないな。哲学やお金稼ぎの話ばかりでキモいな。」と気づきました。
知識は偏っていると気持ち悪く思われます。なぜならそれを知らない人にとっては理解不能な領域だからです。
理解不能なものに対して人間が抱く感情は「神秘的」か「キモイ」かのどちらかでしかありません。そしてキモイと感じることのほうが圧倒的に多いです。
だから私はもっといろんなことを知らないといけないと思ってジタバタする中でマーケティング関連のブログで「ミクチャが大流行!」とか言ってるのでダウンロードしたものの使い方がわからず放置していました。いまだに動画投稿の方法はわかりませんが流行のチェックに使えることがわかりました。
少し前までは「岡崎体育ってなんて読むの。たいいく?たいいくって授業のあれと同じじゃん。たいいくが得意な人なの?」という感じの人でしたが、今なら「MusicVideoって曲、いいよね。」などと半年遅れの流行を追えるほどにまで成長しました。
引用:mixchannel
ミクチャのいいところ
流行はいつも若者から生まれます。ミクチャのメインユーザーは若者です。つまりミクチャを見れば流行がわかる、というのがおっさんが最近気づいたことです。
流行が起こる原因をマーケティング的に言うと「一部の『イノベーター』が運動を起こし、それに対して新しいもの好きな『アーリーアダプター』と呼ばれるタイプの人が情報を拡散させることで運動がおおきくなって流行が生まれる」となります。世のおっさんたちは会社でそういうことばかり考えているんですよ。
この「アーリーアダプター」タイプの人が10代、特にミクチャユーザーに多いです。
ではなぜ、MixChannelでは上記の様な流行がうみ出され続けるのでしょうか。MixChannelとしては、「MixChannelのユーザーが、『流行に乗りやすい』特性がある」と考えています。
(中略)
MixChannelユーザーの7割が、「一度使って気に入った商品/アプリは友人や恋人、家族に勧める」傾向にあり、自身の体験を積極的に拡散する様子が目立ちます。さらに、「SNSなどに口コミを投稿したことがありますか?」と聞いたところ、「ある」と答えたMixChannelユーザーは6割を占め、10‐20代一般女性の約1.5倍という結果になっています。
(中略)
MixChannelユーザーは、「目新しい/流行りだしているもの」を積極的に探しにいき、すぐに取り入れる傾向があります。たとえば、毎月ファッション誌を愛読しているか聞いたところ、「する」と答えたユーザーは約6割にのぼり、10‐20代一般女性の3倍以上という結果が出ています。
ともかくミクチャは流行を生む震源になっているということです。学校にいれば流行りの情報が自然と入ってくるんだろうけど社会人のほとんどはそういうの無いからね。おっさんが一人で流行を見極めるというのは不可能だから、普段から流行を探し回っている10代に学ばせてもらったほうが早い。
若者向けのSNSなら他にもありますが、ミクチャには「ツインズ」というカテゴリがあって曲に合わせて踊ってみた動画が多数アップされています。自然と選曲は「自分らが好きな曲」つまり流行曲の割合が高いです。これがミクチャから流行歌を学べる理由です。
おっさんには耐えられない「じっくり聞く」という行為
おっさんが流行歌を知ろうとするのはひとえに「時代に取り残されたくない」という焦燥感によるものです。音楽自体から疎遠になっている場合が多いので、一曲一曲丁寧に聞いて「これは好き」「これは嫌い」とやってる気持ちの余裕はありません。
その点ミクチャは一つの動画の長さが10秒20秒なので負担なくさくっと見られるのが良いですね。
あとこれはいっとかないと余計に誤解されるのでいっときますが、動画がかーいーです。はるか昔に忘れた色あせた何かを思い出す気がする。
引用:mixchannel
おわりに
最後に毒を吐くと、動画を見てわかるとおり有名なミクチャユーザーは比較的裕福な方が多いです。だからかアンチもいて「なんか化粧濃すぎない?」なんてコメントも流れてますが、女の子同士の確執についておっさんは関与できませんので、ただ「なんて恐ろしい世界なんだ」ということを鼻をほじりながら感じています。