尾張屋

うまくいかない時の処世術を株式投資から学ぶ

何かをやるとき、うまくいく時とうまくいかない時があります。

うまくいく時は続けてうまくいくし、うまくいかない時はいくらやってもだめです。なぜかはわかりません。

うまくいく時を「右肩上がり」ということがありますが、やればやるほど成長を感じられます。

逆にうまくいかないときはちっとも前に進みません。ちょっと上がったと思ったら下がって、下がったと思ったら上がっての繰り返しです。

これが順番にやってくるのが普通です。

まさに「山あり谷あり」。人生は難しいです。

この図を頭に思い浮かべたときに、私はお金が好きなので「株式チャートと同じだ」と思いました。

CLUB FISCO

株も山あり谷ありです。難しいです。

法人にも人と同じような波があって、うまくいく時とうまくいかない時があります。

人生の山や谷についてどう処したら良いのか適切に教えられる人は滅多にいませんが、株の山や谷については昔からかなり研究されていて、どのシーンでどう投資したら良いかの答えが出ています。

なぜかというと、みんな自分がやっていることがうまくいかない理由より、お金のことに興味があるからです。

株は上がっている時だけ儲かるのではなく、停滞している時でも利益を出すことができます。

だからその手法を人生の山や谷にも応用したら、たとえ前に進まないように思える時でも有益な過ごし方ができます。

右肩上がりの時

当たり前ですが、どんどん投資していくことが王道です。前途洋々、順風満帆なときは積極的に投資していくことで大きな成果を生み出します。むしろ何もしないでいると機会損失(せっかくのチャンスを逃すこと)になります。

株価が右肩上がりの時も同じで、流れていく方向に投資額を積み増していくことで利益を最大化させます。

横ばいの時

全然成長が見られない時には、今までやっていた方向とやり方を変えることで上手くいくことがあります。

株での横ばいは「レンジ」と呼ばれています。方向性がなく行ったり来たりしている状態です。そこでの基本戦略は「逆張り」です。

「逆張り」とは流れていく方向と逆に投資することです。株は方向感なく行ったり来たりしていますから、上がっていて「そろそろ下がるな」という時に下がる方に投資しておくことで、いずれ下がり出す株の流れに乗ることができ、利益を生むことができます。

私のこれからの相場観

投資の世界では、「トレンド3割、レンジ7割」だと言われてます。トレンド、つまり方向性がはっきりしている時期が全体の3割で、どっちつかずの時期が全体の7割だということです。そのように人生もいつも良い時ばかりではなく、やってもやっても成果を実感できない時は多いです。

日本経済はここ20年ほどレンジ相場が続いていました。その不況につられてか、いろんなものが停滞していた時期だったなと、この時期を過ごしてきて実感しています。

この20年でまっすぐな商売をしていた人は軒並み経営不振にあえぎましたが、逆にグレーなことする人が成功する例をいくつも見てきました。「2ちゃんねる」はその代表例だったと思います。

上に行こうとする流れを下に押し下げて利益を得る、典型的な“逆張り文化”がそこにはあって、それがうまくハマったのは日本全体が停滞ムードだったからだと思います。

しかし最近になって、いろんなことがレンジを抜け出して方向を定めて走り出した感じがあります。

世の中全体が今までの殻を破って動き出そうとしています。

たとえば、アメリカはトランプという型破りな人を大統領に選んだことで、良いか悪いかはわかりませんが、ある一方向に突き進もうとしています。

その影響を受けて今まで停滞気味だった世界の株価は上がっています。

また、AIやVRも今年脚光を浴びました。賛否はあれど否応なしにこの波は私たちの生活に浸透してきます。

日本は集団的自衛権を行使できるような法ができましたね。かなり大きな転換点で、これをきっかけに日本の外交は大きく変わっていくはずです。

今まで日本の首相は交代ばかりしていましたが、今は安倍総理で落ち着いて任期が戦後最長になるかもしれないと言われています。

その他、いろいろなことが方向を定めて進みだしました。

同時に、今まで有効だった逆張り的な手法の効果が薄れてきたことも感じます。叩いても下がらずにそのまま進んでいってしまう。だから素直なトレンド追従型のやり方がうまくいくようになっている、ように感じています。

個人レベルでも運の良い時悪い時がありますが、世間レベルでも運の善し悪しみたいな流れがあって、今はちょうど停滞期を抜け出しつつある時だなあと感じます。

中島みゆきの『時代』を思い出しますが、時代は回っていきます。回り回ってまたしばらくすると停滞する時期がやってくると思います。数十年後でしょうか。そしたら未来の逆張りのプロが現れてまた世間を騒がすようになります。

祖父は生前、リーマンショック前後の混乱期を「戦前の雰囲気とよく似ている」と言ったことがあります。現代日本では戦争こそ起こりませんでしたが、北朝鮮やテロの脅威、ネットでのむやみな言葉は多くの人を傷つけ運命を変えてしまったと思います。

昔起こったことが今また起きて、今起こったことは将来にもまた起きます。その時にはうまく立ち回って利益を出せるようにしたい、私はそう思っていますしみんなにそういう賢さを持って欲しいと思っています。なぜなら私はこの20年間、素直にやりすぎて思い切った逆張りができずに後悔の念があるからです。