尾張屋

漫才から学ぶ、面白い話に共通の構造

「面白い話ってどうなっているんだろう、漫才を研究したら話が面白くなるだろうか。」と考えて本を読みました。

笑いの原理

面白さとは、「緊張」と「緩和」のギャップから生まれます。

たとえば、すごく真面目そうなサラリーマンがバナナの皮で滑って転ぶ。

このとき、サラリーマンが「緊張」でバナナの皮で滑ることが「緩和」です。

笑いというのは 、 「緊張 」と 「緩和 」です 。緊張と緩和の落差があればあるほど笑いになりやすいんです 。

ですから、面白い話がしたいという時には「自分がどういうキャラか」を知ることが基本になります。

なぜなら、自分の今のキャラが「緊張」に当たるからです。

キャラによって、面白くなる「オチ」は変わってきます。

漫才を作る上で最初に考えなければならないことをお伝えします 。それは 「キャラクタ ー 」です 。なぜかというと 、キャラクターは漫才において 、すべての 「フリ 」になるからです 。キャラクターがないと 、フリもオチも作れません 。例えば 、怖いお兄さんキャラがいたとします 。その人の携帯の着メロが鳴ったら 、アニメの歌だった 。この場合 、フリが 「怖いお兄さん 」で 、オチが 「アニメの着メロ 」です 。

キャラが怖いお兄さんならアニメの着メロが「オチ」になります。

しかし、キャラがアニヲタだったらアニソンはオチにはなりません。

まずキャラクタ ー決めると 、自ずとボケの内容も決まっていきます 。

フォローが入ってはじめて笑いになる

そして、オチだけでは笑いにはなりません。必ずフォローがないといけません。そのフォロー役が、漫才では「ツッコミ」なんですね。

ツッコミの役目は 、お客さんに対して 、ボケの人の説明をすることです 。 「この人は面白い人です 。だから笑ってください 」ということを分かりやすく提示する役割がツッコミなんです 。だからツッコミの人は 、ボケを助けるツッコミのパタ ーンをどのくらい持っているかがポイントになります 。

私は「ツッコミとはボケを指摘する役」なのかと思っていました。そうではなく、フォローなんですね。関西人にしたら「そんなん当たり前やろ、今さら気づいたか関東人。」と思うかもしれません。

重要なのは 、フォロ ーで初めて笑い声になるということです 。フリとオチだけでは 、笑い声にならないんですね 。

たしかにフリとオチだけだと痛々しい場面になってしまう可能性もあります。それを笑えるよう助けの手を伸ばすのがツッコミだといいます。

関西人はうまくツッコんでもらわないと怒るといいますが、そういうわけだったんですね。生まれるはずの笑いを生み出せなかった、その嘆きが怒りとなっているんですね。

そう考えると、トーク番組での明石家さんまのツッコミの入れ方って天才だな。

笑いの掛け算

笑いは「フリ」「オチ」「フォロー」が揃えばなんでもネタにできます。

人が死なない限り何でもネタにできるんです 。

漫才では話が進むほどに笑いがエスカレートしていきますが、それは前の話に続けて次の話が出てくるストーリーができているからです。

ストーリーの中にいくつもの「ボケ」を入れていきます。

いくつもの「ボケ」は、前のボケを引き継ぎついでだんだんおかしな方向に流れていくことで、笑いがどんどん大きくなっていきます。

ボケを並べるに当たっては 、起承転結それぞれに 、 「あるある 」 → 「ありそうありそう 」 → 「なしなし 」の山ができるのが理想。

はじめはちょっとしたズレがだんだんエスカレートしていくというのが笑いの王道です。

たとえば、すごくわかりやすい笑いを作る陣内智則。海外でも披露したという「バッテイングセンター」のコントはこうなっています。

はじめは普通にボールが飛んできます。

「あるある」

しかしだんだん本格的な野球になってきて、ピッチャーが牽制球を投げます。

「ありそうありそう」

ピッチャーがどんどん変なことをしだします。

「なしなし」

そして「なしなし」が続いて行って、最後のオチまでつながっていきます。

「笑いの足し算 」というのは 、 1個のフリに対していろんなボケを言うことですが 、 「笑いのかけ算 」は 、前のボケをフリにした天丼(繰り返し)を入れたり 、前のボケにプラスしたボケを入れていくということです 。 「あるある 」 「ありそうありそう 」を土台にしているから 、 「なしなし 」が成立するという笑いのかけ算です 。

自然体でいることとリズム

しゃべりはあくまでも自然体で。

「その場で立ち話をしているように 」見せることが大切です 。今思いついたようにしゃべらないと 、予定調和になってしまい 、笑いになりません 。

そしてリズムも大事です。ナイツはテクノミュージックを漫才のリズムとして参考にしているそうですよ。

テンポと 「間 」について説明しましょう 。これらも 、漫才ではとても重要です 。昔からある練習法としては 、メトロノームを使って 、一定のテンポでしゃべるやり方があります 。

ストイックですね。テンポが安定していないだけで聞いている方が不快になるというのは、私は何度も経験しています。

おわりに

笑いを作るには、「フリ」と「オチ」と「フォロー」が必要です。

この三つが揃えばどんなことでも笑いに変えることができます。(ただし人が死なない限り)

フリはキャラクターから生まれます。フリしだいでオチは決まってくるので、ボケのキャラがどういうものか把握しておくことが必要です。

ボケはだんだんエスカレートしていくことが王道です。「あるある」→「ありそうありそう」→「なしなし」な話へ繋いでいきます。

今日は以上です。