ブログに人が訪れる入り口は三つあります。
これはブログだけではなく、すべてのネットのコンテンツに当てはまることです。
そして、どういった経由で人が来るにしても、それを読んだ人が「面白い」か「役に立つ」と感じてもらえるようなモノを作ることが、コンテンツ制作者には求められています。
読者が「面白い」または「役に立つ」と感じるコンテンツのことを「品質の良いコンテンツ」と業界では呼びます。
ネットが誕生してから、この「品質の良いコンテンツを作ろう」ということがずっと言われてきました。
そしてGoogleは「品質の良いコンテンツを検索上位に表示する」と明言してきました。
SEOの話が出るたびに、Googleはいつも「品質の良いものを作れ」「品質の悪いものは排除する」と言い続けて、悪意のある、またはやる気のないコンテンツを排除するようなアルゴリズム変更を何度も何度も施してきました。
だからGoogleがアルゴリズムの変更を発表するたびに、コンテンツ制作者たちはヒヤヒヤしています。
しかし、みんなGoogle先生の言うことに振り回されながら、頭の片隅ではいつもこんな思いを抱いていました。
(品質の良いコンテンツっていったいなんやねん…。)
Google先生が言うからみんなもそれに続けとばかりに「品質だ!」「クオリティだ!」ということを叫んできましたが、それがいったいなんなのかは実はよくわからないでいました。
つい先日わかったところでは、それは「事実を追求すること」ではないようです。Google MFI Night でGoogleの社員さんはこう言いました。
書かれていることが事実かどうかはチェックしていない。
そういうことを目的としたアルゴリズムではない。
これは私も納得できます。だって事実は考え方によっては一つではないことも多いからね。
ネットのコンテンツの強みはあくまでもファンを作るところにあります。
最近では政治の世界でも「ポスト真実」や「オルタナティブファクト」ということが言われ、事実からではなくて自分の気持ちから論が発展することが増えてきました。トランプ大統領のやり方がまさにそう。とりあえず噛み付いて相手の出方次第で着地点を探っていくんです。あきらかに事実ベースではない。
Googleもその流行を意識してか、「事実かどうかはチェックしていない」と言っちまいました。
では「品質の良いコンテンツ」とはなんなのか。
Googleの社員さんによると、それは「愛のあるコンテンツ」だそうです。
ユーザーを満足させるコンテンツを作ればいい。
そのコンテンツが本当に品質が高いかどうかは自分自身でわかるはず。
いかに”愛”があるコンテンツを作るかが重要。
コンテンツ作りは愛。
愛を持って自分のサービスを作っていってほしい。
愛ですか。ますます抽象的になりましたね。
しかし、ここからわかることは、月並みに言えば「自己満足やGoogleのランキングを気にするのではなくて、読者のことを考えてコンテンツを作ってね。」ということです。
もすこし頭良さそうなことを言うなら、古代ギリシャの哲学者アリストテレスが、言葉には「ロゴス」と「パトス」と「エートス」が必要だと言いましたが、今まで私たちが絶対だと思っていた「ロゴス(論理)」は思ったほど重要ではなくて、それより「パトス(熱意)」や「エートス(信頼)」の扱い方に気をつけろということでしょうか。
熱意や信頼というのは人を欺くためにも使えるし、人を守るためにも使えます。
だから、それをうまくコントロールするために「愛」というもので舵をとるべき、ということではないかなあと思います。
とまれGoogleからそういった指針が出ていますので、ブロガーはじめコンテンツ製作者は周りのすごい頭いい人に圧倒されずに、熱心に頑張れば良いということですね。
参考:高品質コンテンツに求められるのは”愛”――日本語検索独自の品質評価アルゴリズム更新についてGoogle社員が語った #inhouseseo | 海外SEO情報ブログ