尾張屋

情報収集のやり方をその道のプロが書いた本から学んでみた

情報収集のコツを知りたくて、その道のプロの考え方を学んだんです。

その道のプロとは、池上彰氏と佐藤優氏です。

結論から申しますと、これ以上情報収集したくなくなる本です。

なぜなら2人の情報収集のやり方が異常すぎてついて行けないからです。

たとえば池上彰さんは毎日11紙の新聞に目を通していたり、佐藤優さんは毎月300冊の本を読んでいるといいます。

ちょっとキモいほんとすごいですよね。そうした2人の対談が本になっているのですが、かなりマニアックです。

本の中で挙げられている新聞、雑誌、書籍の数は200近くあります。

そこまで読めねーよさすがお詳しい方は違うと思いながら、本を読み進めていくうちに「もう俺は本読むのやめようかな」という気持ちが湧いてきます。

「努力するのはやめて、流れに任せて生きた方が楽だ。」そのように思わせる本です。

とひあえずついて行けたところをまとめてみます。

情報収集のポイント

世の中を知るには新聞から、世の中を理解するには書籍からだといいます。

そして、その土台となる知識は教科書・学習参考書から得たら良いよと書いてあります。

(池上)まず新聞で日々のニュースの全体を捉え、ニュースで気になるテーマがあれば、書籍で深掘りしていく。

新聞からの情報収集について

新聞は1紙に絞るのではなくて、同じ出来事でも各紙によって書き方が違うので必ずクロスチェックをするべきだといいます。

(佐藤)「新聞は少なくとも2紙以上読まなければ危険だ」というのが、池上さんと私の、現在の共通意見です。
全国紙レベルでも「新聞=客観報道」の前提が崩れている。

(池上)新聞はここ数年で急激に変わりましたからね。ひと昔前までは、どの新聞を読んでも、ニュース記事に関してはそこまで大差がなく、1紙を読んでいたら大きな流れはつかめたと思うんです。私が大学生のころなんて、「日本の新聞は個性がない。題字が違うだけだ」なんて批判もされたくらいで。(中略)いまはニュースの取り上げ方そのものが新聞ごとに違っていて、そこに意図が感じられるようにもなっています。

各紙がどんなスタンスを持っているのかは「社説」と「コラム欄」で判断できるそうですよ。

(佐藤)はっきり言ってしまうと、以前から『産経新聞』だけは保守色が明確でした。(中略)それが現在、『産経新聞』の路線、つまり保守派に『読売新聞』と『日本経済新聞』が乗って、『朝日新聞』『毎日新聞』「東京新聞』は逆に、現政権反対の立場を明らかにしています。

新聞はじっくりは読みません。「読み飛ばし」が基本です。池上さんは朝は20分しか新聞に目を通さないそうです。

読み方は「見出し」と「リード」に目を通して、気になった記事だけ読む。迷ったら読みません。

(池上 )関心分野なんて、新聞をパッと開いた瞬間、キーワードが目に飛び込んでくるようになりますよ。

いやそれは池上さんだからだろそっかー!俺もやってみる!

雑誌の読み方について

雑誌は視野を広げるのに役に立ちます。

(佐藤)雑誌というのはパラパラ読んでいると、意外な情報に出合ったりするじゃないですか。
(池上)興味のある記事だけをクリックするネット情報と大きく違うところですね。

週刊誌では大まかな世間の雰囲気をつかむことができます。何が話題になっているか、ということの把握に使えるということですね。

ただし、話題になっているというのは言い方を変えれば噂になっているということです。噂というのは人の心のどす黒いところからもよく出てくるものです。

火のないところからも煙が立ちますので、情報の見極めが必要になります。

雑誌も拾い読みが基本です。

ネットの情報の読み方について

ネットの情報は玉石混交です。その中から「玉」だけを選び出すのは難しいといいます。

(池上)ネット情報は「速報性」に優れているし、誰でも情報発信できるのはすばらしい点ですが、それだけに情報の真偽を見極めにくい。
(佐藤)誰もが情報発信できるということは、裏を返すと、新聞や雑誌がもつ「編集」と「校閲」という重要な2つの機能が欠如しているということです。(中略)ひとことで言うと、ネット空間は「ノイズ過多」なんですね。池上 ネットはうまく使えば便利で有益なツールになる反面、時間を浪費したりノイズ情報に惑わされる危険性もある「諸刃の剣」ということですね。

ネットの情報にこうした性質があることはこれからも変わりません。

だからネットで情報を発信する人は、新聞や書籍に対抗して緻密な取材と文才、編集で売るよりは個性で売った方が楽しく続けられます。

あとネットあるあるとして、好きな情報だけ取ってきてしまうということがあります。

(池上)自分の知りたいことや自分の考えを補強する情報が欲しければ、いくらでも見つけ出すことができます。(中略)するとどうなるかというと、関心のあることについてはどんどん詳しくなる一方で、それ以外はまるで知らないまま、どんどん視野が狭くなります。(中略)ネットをよく使う人の中には、「ネットの論調=社会全体の論調」と思い込んでしまう人も少なくありません。

こうなってしまうのは気をつけたいですね。

書籍の読み方について

「話のネタ」レベルの知識をもう一歩深めるには、書籍を使います。

(佐藤)いくら新聞、雑誌、ネットを熱心に読んだところで、土台となる基礎知識が抜けていると、自分の頭でニュースや記事を深く理解することはできません。

本って年に80000冊も発行されてるんです。たくさんあって何を読めばいいのかわからなくなりますが、そんな時には「いろんな本の参考にされている『タネ本』を見つけることが重要だそうです。

(池上)まとめ買いをした本を何冊か読んでいくと、それらの関連書籍の元になっている「タネ本」(基本書)が、わかります。多くは、そのテーマの初期に出版された本です。それがわかったら、そのタネ本はしっかり熟読します。どんなジャンルでもベースになるタネ本はせいぜい3冊以内なので、そこはしっかり読むといいですね。

本も基本は読み飛ばし、速読です。好きな本は熟読します。ただし読み飛ばす本も「はじめに」「おわりに」は目を通すようにします。

教科書、学習参考書の読み方

教科書、学習参考書は思考の型を身につけることができます。

(池上)いくら書籍をたくさん読んでも、その分野の「基礎知識がすっぽり抜け落ちていると、うまく知識が積み上がっていきません。

中学校の教科書が参考になるとのこと。ニュースの基礎知識は「公民」から。そして、

(池上)歴史を勉強するなら、まずは「日本史A」「世界史A」で基本と大まかな流れをおさえたうえで、あとは自分の興味や必要な分野を深く掘り下げていく方法がいちばん効率的でしょうね。

学校で習う知識は基礎なんですね。どうりでつまんねーわけだもう一度、童心に帰って勉強し直そうかな。

私がこの本から理解できたのは以上です。