尾張屋

ブログネタに困ったら本を読むと良いよ

ブログをはじめて、かれこれ8年が経ちます。

なのに、相変わらずネタ切れに困っているんですね。

長いこと考えあぐねていましたが、最近、一つの結論を得ました。

読書です。

本を読むことで知識が増え、表現力が豊かになり、色々な視点を持つことができて、書けることが多くなります。

時代はマスメディアからソーシャルメディアに移って、誰でも情報発信できるようになりました。

さらに最近は「ユーチューバー」や「プロブロガー」といった個人が活躍している例も増えたし、ネットに書かれた一言が一気に拡がって世間を動かしたり、大きな運動を引き起こしたりもします。

だから情報発信は楽しい。

しかし、何を発信したらいいか、分からなくなることも多いです。

私は最近、本を読むようになりました。出来事としてのきっかけは、お笑い芸人の又吉さんの芥川賞受賞だと思います。

でも、はじめに手に取ったのは『火花』ではなくて、直木賞受賞作の『流』でした。もてはやされているものを素直に手に取ることができなかったのかもしれません。あのニュースは行動を引き起こす引き金になりましたが、心の中では、ずっと前から本を読んだ方が良いと感じていました。

それは、ブログを書いていながらいつも「ネタ切れ」と「飽きられる」という課題が念頭にあったらです。

製品を世に出すにはまず仕入れがなければならないように、また、料理を作るには材料を買わなければならないように、ブログを書くにも材を取る、取材する必要があります。

ブログネタの仕入先

では、材はどこから取ったら良いのでしょうか。それが長いこと悩みでした。

多くのブロガーは、自分の体験が材料です。1日の体験の中の、食えないところは捨てて美味しいところだけを料理してブログという皿に載せて出しています。

たとえば、トイレに行ったとか電車で移動したとかは載せずに、みんなで笑ってバーベキューしてる様子や誕生会の様子などの食べられる部分だけを、うまく編集して他人に見られるような形にし、盛り付けています。

体験という材料は自分にしか採れないものなので貴重ですが、なにぶん取れ高が少ない。たくさん採ろうとするとそれだけ体を動かさなければならないから、疲れてしまいます。「SNS疲れ」という言葉が流行りましたが、体を酷使して記事を更新しつづける様は、さながら居酒屋でホールを駆け回るアルバイトのようで、私には進んでそれをやる勇気はありませんでした。

また、自分の体験を人に面白く見せるのは至難の技です。

なぜなら体験は個人情報の塊だから書ける内容に制限が多いし、なにより一番客観的になりづらいのが自分という存在です。

体験を綴った文章はどうしても自慢げになってしまう。なんとか面白くしようとすると他人を貶めるか逆に自虐的になって自分をネタにしなければならないので、書いている本人がダメージを受けてしまいます。

だから体験だけ書くのでは「ネタ切れ」「飽きられる」どちらの課題もクリアすることができません。

では、材はどこから取るのか。私はネットの記事を読み漁ってみました。「ヤフーニュース」「はてなブックマーク」「スマートニュース」「バズなんとか」。ネットには無数のメディアが存在していて、1日に何万人、何十万人もの人を集めています。速報性があり、楽しい記事ばかりです。

しかし、ネットの記事は人を集めるための記事が多い。中身が薄いんです。

つまり、量を満たすために急ぎ配給している菓子パンのようで、こういうのを材料に料理をすることは難しかったです。ネットには常に新しい情報が供給されるので「ネタ切れ」はしませんが、ネットにある情報をもう一度ネットにあげたところであまり面白みがないし独自性も出しにくい。

つまり「飽きられる」という課題がクリアできない。

そこで本です。

本のあとがきにはよく、「この本を書き上げるのに5ヶ月。毎日5時から13時までは他の用事はすべて断り、集中して書いた」とか「構想に3年、調査に3年、執筆に4年。足掛け10年をこれに費やした」などといった自慢が書かれています。

長い期間をかけて育て上げた作品は、たとえるなら「5ヶ月かけて育った稲穂」、「10年もののワイン」みたいなもんです。

つまり材料として使える。私は本からいろんなことを学ばせてもらいながら、同時に「これをどう使おう」という、極めて冷徹な主婦目線も持って読んでいます。

仕入れたネタを加工する

一番簡単な料理方法は、本の内容を要約して感想を書く「レビュー」をすることです。

以下のブログは一つの記事に5、6冊の本から引用して記事にしています。

リーディング&カンパニー株式会社

記事の内容に賛否があるらしいけど、人気のあるブログです。よく別々の本の共通点を見つけてまとめられるものだなあと思います。

ここまではできないにしても、一冊でも本をまとめれば、読者は今まで存在すら知らなかった本のことを知るようになります。

そこで「こんなブログではなんにもわかんないよ」と本屋へ行って原本をお買い求めになれば、読者はもっと学べるし、著者には印税が入る。私にとっても本を読むことで知識は増え、表現力が上がります。

すでに本の内容を要約しているブロガーはたくさんいらっしゃるし、また書評サイトもいくつかあるけれど、新刊は年に80000冊も出版されているし、観点はみんな違うのだから、自分の好きな本を、自分の見方でレビューすれば良いと思います。

上級者は、本からインスピレーションを受けて自分の作品を作ったら良いかもしれません。

あの宮崎駿監督も、多くの作品、自然万物、神話などからヒントを得て自分の世界に落とし込み、作品を作っています。

『天空の城ラピュタ』の呪文「バルス」の元ネタが明らかに!

でもこれはあまりにも難しく、私には語れることがないので、ここでは触れない。

そういうわけで、私は最近、本を読むようになりました。

自分の楽しみのためだけでは読書に興味を持つことはなかっただろうと思います。人を巻き込んでの利益が見込めたので、ようやく行動に移せました。料理も自分のためだけに作っていても腕は上がらないように、文章もそうです。

本を安く仕入れる

とはいっても、本を買うにはお金がかかります。単行本の一冊1200円や1600円は、サラリーマンにとって何も考えずに出せる額ではない。そこは、2つの方法で乗り越えています。1つは、カフェが併設している本屋を使う方法です。

Book&Cafe 

CCCの企画

都内数カ所に、TSUTAYAとスタバが合体したBook&Cafeが存在します。ここでは、ドリンク片手に未購入の本を読むことができる。

有楽町マルイ店に行ってみましたが、キレイめのOLが雑誌をテーブルに山積みにして、ものすごい勢いでカップと雑誌の中身を吸い上げてました。

みんながそうするもんだから、売り物の本のうちいくつかは折り目がついていたりよれていましたが、店員も客も気にしている様子がありません。私にとっても、最低302円で本が読み放題なのだから願っても無く、本の質は気になりませんでした。

Amazonで売る

2つ目は、読んだら売るという方法です。

ブックオフよりはアマゾンの方が良いです。ブックオフで売らないのは、買取価格をつけているのがアルバイトさんなので、ほとんどが安めに見積もられてしまうからです。

一方、アマゾンでは市場が本の値段を決めている。需要が高い本は高値が付くし、低い本は安くなる。新刊は需要が高く、中古でも新品とほとんど変わらない値段が付いています。

つまり、1600円の単行本を買って1300円で売れれば、300円で本一冊読むことができる。本来なら10冊読んで16000円かかるところが3000円で収めることができるのはかなりお得ですね。

お得に本を読むなら古本屋か図書館に行けば良いかもしれませんが、古本屋や図書館の本は品定めが難しい。ブログに書けるような、ある程度の気楽さがあってなおかつ新しい情報を得るには、本屋の方が良いです。

本屋では人気のある本が平積みにされているから、自分の知らない分野でもそれを手に取っておけば、すぐにトレンドをつかむことができます。最近図書館も変わってきて、本屋が図書館を運営するニュースもあるものの、全国的になるにはまだ時間がかかりそうです。

仕入れた記事を加工する3つの段階

本の内容をブログに書くにあたっては、3つの段階があります。

  • 本を読む
  • 内容をまとめる
  • 記事にする
  • 1.本を読む

    まず一つ目、本の内容を理解する必要があります。そのために一度読んで内容を理解します。ためになることが書かれていて、自分の糧になります。

    本の選出は実用書が楽です。小説は、ブログに期待される「新しく」「簡潔に」と相性が良くないためか、記事にしにくいように思います。

    もちろん表現力や語彙を鍛えるためには小説や新書の方が参考になります。

    2.内容をまとめる

    本の内容をまとめる必要があります。ノートを取り出して心に引っかかったところや重要な箇所を記録していきます。自分の感じたことも書いておきます。スマホでなくノートに書くのは一覧性が高いからです。パッと見て全体像がわかるようにすると後で編集しやすいです。

    ちなみに多くの実用書に共通しているのが、話の核心が本文の数ページに収められているということです。他は体験談、たとえ話、同じ内容の繰り返し、応用、まさかのページ稼ぎ!なので、核心を見つけることさえできれば、読むのも楽だしまとめるのも大変ではありません。

    3.記事にする

    ブログに書きます。ノートを見ながらどんなブログ記事にするか構想を練ります。ノートのあちこちに書きなぐった文章が、どうやったら一つの文章に繋がるのか、パズルをするような感覚で生地を作っていきます。

    おわりに

    こんなことを考えて、このブログでもブックレビューをしてこうと思います。

    最近、時間が経つのがめっぽう早くなった気がする。自分の人生を行くだけでは限られたことしか知ることができません。

    本には他人が歩いた道が書かれていて、自分には時間がなくて知り得ない世界を体験することができる。

    そうやって、過ぎていく時間を少しでも節約して使ったらいいんではないかと思います。