節約するために、お金を基準にして考えると気持ちがついていかないということがわかりました。
節約というのは、極論すれば「金さえ使わなければ良い」ということなので、削ろうと思えばどこまでも削ることができます。今は安くて品質もしっかりしているものがたくさんあります。
しかし、それで自分が満足できるかというと、そうではありません。
満足できていない気持ちは、どこか別のところで埋め合わせをしようとします。
節約のために無理をしていると、ときどきパーっと使いたくなる衝動にかられる時があります。
それで結局節約になっていない、そんなことになります。
これはたとえるなら無理してダイエットしてリバウンドが起こるようなものです。とにかく数字にこだわって痩せても、そこに気持ちや体質がついていっていない場合、思わぬしっぺ返しを食らうことになります。
お金も体重も、数字より気持ちを大切にすべきですね。
無理して節約を失敗した話
私は毎月の出費の中で、家賃の次に大きいのが食費です。家賃は固定費なので引っ越さない限り減らすことはできませんが、食費は工夫次第で減らすことができます。
私は以前、どこまで食費を減らせるかチャレンジしたことがありました。
男はときどきこういうわけのわからないことをしたがるものなのですよ…。
何を減らせるかと考えて、目に付いたのが米びつ。私は料理をあまりしませんが、いつもお米は炊いているので、米代を減らすだけでかなりの節約になります。
「究極的に安い米を探そう」
そうして米探しの旅が始まりました。店舗をいくつも回りましたが、安くても5kg1600円くらいが相場。業務スーパーの1500円が限界。もうダメかと思ってネットを調べたところ、次元が違いました。安いものを探すと出てくる出てくる。
そして見つけたのが30kg6000円台のお米でした。
「5kg1000円…」
ヤバい米かもしれないとレビューを見ましたが、みんな「美味しい」と書いている。割れている粒やシラタ(白くなったお米)が多いけど値段を考えたら良い品だと。そこでポチってみました。
数日後、佐川のお兄さんがゼエゼエ言いながら届けてくれました。
すいません、興味本位で30kgも持たせてしまって。
さっそく炊いてみました。炊きあがりは、もっちりしてるとか、粒が立ってるとかは、まったくない。むしろパサパサしている。ご飯として食べるよりチャーハンにしたほうが美味しいんじゃないか、そんなお米でした。
でも、これで食費が浮くなら良いだろうと、30kgがなくなるまで毎日そのお米を使うことにしました。
しかし、だんだんそのままで食べるのが苦痛になってきました。何かと混ぜないと食べたくなくなる。しまいには「家に帰ってまたあの米を食べるの嫌だな」となって外食が多くなってしまいました。
おいしいお米にある甘みや食感の楽しみがまったくなくて、ただ炭水化物の塊を胃に放り込んでいる作業になっていました。
きっと、あの米は育ち盛りのお子さんがいるご家庭や、増量中のアスリートにはぴったりだと思います。
しかし、これ以上育ちようもない私の体には合いませんでした。
それでお米を変えました。コシヒカリに。すると食事が楽しくなり、外食が減って結果的に食費も減りましたとさ。
おわりに
私は昼食用におにぎりを作って持っていくことがありますが、真夏、前の晩に炊いたご飯を持っていったら昼過ぎにはちょっと嫌な臭いがしました。
「そんなの当たり前だろバカだな」と思われるでしょうが、30kg1000円の米では腐らなかったんだよね…。
そのせいで「ご飯は常温でも1日もつ」という先入観が私の中にできていたのでした。黄色ブドウ球菌も食べたがらない米。あの米はほんと強い、間違いない。
なんでもそうですが、自分に合うものが一番です。食べ物も自分の口に合うものが一番です。レビューでいろいろ書かれているのだとしても、それが自分にも当てはまるかといえばそうでないこともあります。
結論は、「値段は少し張っても自分に合うものを選ぶことが、体にも心にも財布にも優しい。」