はあちゅうさん、いけはやさんが勧めていた本を読んでみました。
一言でまとめると「30代へのエール」です。
私も30代ですが、この世代がこれからの日本でどういう役割を演じていくのだろうかということを、過去の歴史の同時性から、また今の日本の現状から、そして30代という人生のステージの特徴から、読み取っていきます。
著者はNEWSPICKS編集長をされている方で時事にめっぽう強く、今の時代とこれからくる時代についていろんな角度から予想を組み立てています。
未来の予想なんて当たるものではないのですが、いろいろな可能性を考えておかないと対処のしようがないものでもあるので、将来の方向性を定めるのにも参考になりますね。
とにかく、30代でくすぶっている人にはオススメです。もうちょっと頑張ったらいいことあるんじゃないかという気になります。自分が立っている位置がわかり、近い未来に自分とその周りの環境がどうなっていくのかが少し見える気がして自信がつきますね。
アマゾンのレビューを見ると「レトリック(言い回し)が鼻に付いて最後まで読めなかった。」というものが多くありました。
たぶんこの本は一気に書き下ろされたのではないでしょうか、本の前半部分では、あまり使わない方が良いとされる体言止めが頻発していて確かに読みづらいです。これは書きはじめはなかなか文体が安定しない「物書きあるある」ではないかと。
また本の中ほどはどの本でも弱いと言われていますので、そこは拾い読みするくらいでちょうど良いと思います。注目は前半の内容ですね。核を掴めれば学べることがたくさんあります。
ここで30代についてお話しさせてもらうと、我々30代はロスジェネ世代と呼ばれています。
バブルのような華やかな経験もないし、ゆとりのような楽もして来ませんでした。
私が学生のころから教育改革の必要性は叫ばれいたものの、学生のうちには改革は実行されず。しかも社会に出ようにも就職氷河期でなかなか職は見つからない。そんな世代です。
インターネットが登場したのはロスジェネ世代が思春期になるくらいのころで、バーチャルという新しい文化に触れる一方で、会社では団塊世代が中心にいましたから昔ながらの文化にも通じています。
そんな私たちの特徴は「キャパが広い」ということでしょうか。
たとえば私は、映画なら小津安二郎も好きですし新海誠も好きです。
カラオケに行けば1960年代の懐メロも歌うし最新曲も歌えます。世代としては「ミスチル」や「安室」あたりなんですが、いろんな世代と触れる機会が多くて覚えちゃうんですよね。
だから、若い子に「どんな映画が面白いですか?」と聞かれて「黒澤明。」と答えるとたいてい「ああ、あの白黒の(笑)」と言われんですがブチ切れそうになります(笑)
また、おじさんが最近の流行についていこうとしないのを見てももったいないと思いますね。今はテクノロジーの発達で新しいコンテンツがどんどん生まれているので、ポケモンGOだけではなく、ぜひ地下アイドルとかにも理解を示していただけたらと思います。
そして、私たちの世代はキャパは広いのですがいまいちパッとしない人が多いのも特徴かもしれません。
団塊世代とバブル世代が会社の中心におり、ゆとりやさとりは自由すぎるしで、「えええ!俺らなんなの?」ということを感じるわけです。
私の周りを見ても優秀なのに今ひとつ突き抜けない人がたくさんいます。ほんと頭いいのに使われてない人が多いですね。
だからこそ『ロスジェネの逆襲』という小説がベストセラーになり、「倍返し」が流行ったのだと思います。
あの作品は、突き抜けられないロスジェネ世代のうっぷんをうまく昇華しているんですよね。
『逃げるは恥だが役に立つ』の人気が爆発したのも、いろいろこじらせちゃったロスジェネ世代に共感されたことが大きいと思います。
しかあし、そんなふうにくすぶっているのも2020年までだ。
なぜなら、過去の歴史の繰り返しを見ても、今の日本を見ても、30代というライフステージの特徴を見ても、30代がこれから活躍することが自明の理だからだ。
というのが本書の主張です。
「この歳になってもなんもできてねー!人生このまま終わるんかな。」って焦ってる私のようなロスジェネ世代には特にオススメですよ。