映画『ダンケルク』を見てきました。
舞台は第二次世界大戦中のフランス、ダンケルク。
イギリス&フランス VS ナチスドイツの戦いです。
第二次大戦の結果だけを見るとイギリスとフランスは戦勝国ですが、この時はまだドイツ優勢の時期でした。
しかもかなり圧倒的。
ドイツがイギリスとフランスを押しに押して、ダンケルクの海岸線まで追い詰めてからの戦闘が「ダンケルクの戦い」です。
もう後がない。「背水の陣とはこのことか」と思いきや、イギリスとフランスがそこで奮起して逆転勝利を収めるわけではなく、ただひたすら海を渡って逃げまくるというだけの話です。
そのため「史上最大の撤退作戦」と呼ばれているそうです。
映画の中でイギリス兵が何度も「次は本土決戦だ」と言っているのが印象的でした。
ダンケルクの地理を見ると、たしかにドーバー海峡を挟んですぐそこにイギリスがあります。
「本土決戦」という言葉は日本だけが使っていたと思っていました。本土決戦の意味するところは、追い詰められてもう他にできることがないから最後に自分の国で死ぬつもりで戦う、ということです。
イギリスは戦争に勝ったとはいえ、けっこう絶望的な戦いをしていた時もあったのだということがわかりました。
勝てる戦いでも、いろんな時があるんですね。そういう時期をいかに辛抱できるかも必要だなと思いました。
父の話によると、アメリカが参戦してから形勢がガラッと変わったそうです。
ドイツ側から見たら、「これぜってー勝てるっしょ!!」てノッてる時に世界最強の国が敵に味方しちゃったわけです。
油断禁物ですね。
で、思ったのですが、アメリカが参戦してきたのってたぶん日本のせいじゃないかな。
真珠湾攻撃したから、かな…。
だとしたら日本はドイツが負けるきっかけを作ったことに…。
しっ!このことはドイツには内緒だぞ!…ていうか知ってるだろうけど。
調子に乗って余計なトラブルは起こさない方がよいぞ、と。
いろんなことを考えることができた映画でしたが、内容自体は撤退作戦なので盛り上がらないです。
絶望9:希望1=とにかく重い。
といった感じの内容です。
ヨーロッパ特有なのか、ずっと曇り空の中での撮影も気分を重くしました。
ハリウッド映画だったら、ここで1人の選ばれし大学生が不思議な力を手に入れてとまどいながらもためしに剣を一振りしたら海がガッツリ割れて戦況を開いてめでたしめでたしってところでさらに強い敵が現れて…という流れになりますが、そういうのは一切ありません。
明るい材料といえば、イギリス兵のファッションがめっちゃカッコよかったこと。
つい先日、「メンズファッションの源流は軍服」ということを僕は漫画から学びました。
それを知らなかったら、主人公の着ているコートを見て「戦場でカッコつけすぎでしょw映画だから仕方ないな。」という意見を持ったかもしれません。
兵士だけでなく、登場人物はみんなイギリス紳士って感じです。
イギリスから遊覧船を操縦して「ダンケルクで何人かでも助ける」つってドーバー海峡を渡ってしまうおじいさんもカッコいいです。ファッションもカッコいいしセリフもイケメン。
こういうところ、同じ島国だからなのか日本の美意識と通じるところがあります。
そして、映画を見ながら一番強く感じたことといえば、「なぜ俺は、北朝鮮の建国記念日に戦争映画を見てるんだろう。」ということでした。
まだ油断できませんが、ミサイル発射しなくてよかったよ。
書きながら調べましたが、やはりアメリカの参戦は日本の真珠湾攻撃がきっかけだったそうです。
もともとアメリカは参戦の機会をうかがっていたらしいのですが、日本が攻めてきたからそれを機会にして参戦したと、ネットにですが書いてありました。
アメリカの伝統的な戦略として「攻撃されたらそれを理由にして反撃する」というのがあるのかもしれませんね。
きっと、北朝鮮の件についても、実際に被害が出たら世論を煽りながら一気に攻略していくつもりではないでしょうか。
そして、北朝鮮はそうしたアメリカのやり方を太平洋戦争や朝鮮戦争での経験から学んでいるので、あえてミサイルを外したり失敗してみせたりして挑発行為で留めているように見えます。
そんなにらみ合いの心理戦がずっと続いているわけです。
その間に挟まれて困ってる日本。
やれやれ。