伝える順番を変えると言葉は伝わりやすくなる

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普段何気なく使っている日本語。何となく相手に伝わっているようで、けっこう相手も意味がわかってないのに「あはは、そうだよねー」と返事を返してくれている、日本語。

言葉がわかりにくい理由の一つは、その順番にあります。

絵だったら一目で全体を捉えることができます。右から左に見るとか、上から下に見るといったルールはありません。しかし言葉には順番があります。

話し言葉だったら話された順番通りに、書き言葉だったら書かれた順番通りに私たちの頭の中に入ってきて意味を理解しようとします。

その順番によって“伝わりやすさ”は大きく異なってきます。しかし私たちは国語の時間に「伝わりやすさ」というものを習っていません。

言葉は伝達の道具であるにもかかわらず、スムーズな伝達方法については学んでいないのです。そのことを指摘したのが以下の本。

本多勝一さんは大学一年生の時の授業の教材で読んでハマりました。世界を旅していろんな人の生活を記録した本があるんですが、日本しか知らない私に世界の広さと人間の共通性みたいのを教えてくれた本でした。

さてこの本ですが、タイトルには『中学生からの』と書いてありますが、中学生が読むものではありません。このタイトルの意味するところは『中学生の時に習うべきだった』であろうと思います。私はこの本を読んで今まで何となく使っていた日本語のモヤモヤが晴れました。

たくさんのコツがある中で、冒頭に書かれているのが「言葉の順番について」。これだけで刺さることが多くお腹いっぱいになります。

かかる言葉と受ける言葉は直接つなぐこと

第一の原則がこれです。

かかる言葉と受ける言葉とは、たとえば、「花が咲いた」という文章の場合、「花が」がかかる言葉で「咲いた」が受ける言葉です。

わかりにくい言葉はかかる言葉と受ける言葉が離れているのだといいます。

次の例はどうでしょう。

私は花が咲いたと言った。

この程度なら、まだそれほど、わかりにくくはありません。さらに長くしてみます。

私はスミレの花が裏庭で咲いたと言った。

少しわかりにくくなりました。もっと極端に長くしてみます。

私は母が弟に隣の部屋で裏庭で黄色いスミレの花が咲いたかどうか見てくるように言ったのを聞いていた。

意味わからなすぎです。このようにわかりにくくなるのは、かかる言葉と受ける言葉が離れすぎているからです。

上の例文では、「私は」がかかる言葉で「言った」や「聞いていた」が受ける言葉です。この二つが最初と最後に配置されていて離れすぎているのでわかりにくいのです。

ですからこの二つを直接繋げばわかりやすくなります。

花が咲いたと私は言った。

すみれの花が裏庭で咲いたと私は言った。

黄色いスミレの花が裏庭で咲いたかどうか見てくるように母が弟に言ったのを隣の部屋で私は聞いていた。

うん、言葉が並べられた順番通りにイメージしていくと意味がわかりますね。

句より節を先に

かかる言葉と受ける言葉を並べることはわかりました。

では、かかる言葉がたくさんある場合はどうしたら良いでしょうか。

たとえば、ステキな女性がいて褒めるところがたくさんあるとします。

色の白い彼女
面白い彼女
服がおしゃれな彼女

このように「彼女」にかかる言葉がたくさんある場合、順番を間違えると意味が変わってしまいます。

面白い服がおしゃれな色の白い彼女

これだと、まるで彼女が面白い服を着ているように読めてしまいます。

ですから、わかりやすくするためには句より節を先に配置する必要があります。句と節がわからない場合は、「長い文章を先に置く」と覚えておけばわりとカバーできます。

服がおしゃれな色の白い面白い彼女

ずっとわかりやすくなりました。

おわりに

言葉をどう使ったら良いのかがわかると、私たちが普段どのように言葉を理解しているのかもわかって面白いです。

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