【基本のキ】“ビットコイン”の仕組みを象っぽいキャラで解説してみました。

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2017年は仮想通貨元年だと言われました。

2018年もその流れをくむと見られています。

僕は2年くらい前にビットコインの存在を知り、「これをブログ記事にしよう」と思いました。

しかし、下書きまで書いてアップはしませんでした。

誰も興味を持たないだろうと思ったからです。

ところが、いつのまにか「知らないとまずい」雰囲気になりつつあります。

ということで、過去にほったらかした記事を掘り返して公開することにしました。

1年以上前に書いた記事であり、また個人で調べたものであることをご了承ください。


ある日、ビット君の家に郵便が届きました。

ビット
誰からだろう。開けてみよう

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ビット
なんだ?どこかの国のお札だ。お金って普通郵便で送っちゃいけないのに。一体誰なんだこんなことしたのは。
覇音
呼んだ?
ビット
うわ!え…は?
覇音
それを送ったのは私です。名前は覇音だよ。
ビット
は?…味覇?
覇音
ちがうちがう。そんな中華万能調味料みたいな名前じゃないよ。覇音だよ。
ビット
あすいません。あの、僕に用ですか?
覇音
そうそう。今日は君に教えたいことがあって来たんだ。君は以前、ビットコインについて考えていたね。
ビット
あ、ビットコインについて教えてくれるの?最近ニュースでよくやるんだけど、そんなにすごいのかなあと思って。僕はnanacoで十分だと思ってるよ。
覇音
じゃあまずは、nanacoとビットコインの違いを説明するよ。

電子マネーと仮想通貨の違い

覇音
nanacoは“電子マネー”で、ビットコインは“仮想通貨”だよ。
ビット
うん。
覇音
電子マネーと仮想通貨の違いは、電子マネーは元々「現金」だけど、仮想通貨はもともと“価値記録”という「モノ」なんだ。
ビット
価値記録?
覇音
「価値がある記録」ってことだよ。
たとえば、個人情報には価値があるよね。同じように価値記録っていうのは価値のある情報のことをいうんだ。
情報だからお金みたいに目に見える形にはできないし、時と場合によって価値が上がったり下がったりするんだよ。
たとえるなら、目には見えない時価のマグロみたいなものかな。
ビット
え、ずいぶんざっくりした説明だなあ。
でも目に見えなかったり価値が上がったり下がったりするなんてそんなの危ないよ。しかも何年か前にビットコインが盗まれたってニュースもやってたじゃん。やっぱりnanacoのほうがいいよ。
覇音
マウントゴックス破綻のニュースだね。

マウントゴックス破綻 ビットコイン114億円消失

仮想通貨“ビットコイン”の安全性

覇音
マウントゴックス破綻のニュースがビットコインのイメージになっているかもしれないけど、あの事件はビットコインが悪いんじゃなくて、マウントゴックス社の問題なんだ。
真相は明らかになっていないけど、ハッカーにマウントゴックスの情報を盗まれたか、社長が横領したかもしれないといわれているよ。
こうした事件は現金でもよく起こっているから「あの事件があったからビットコインは危険」とは言えないんだ。

9億6千万円詐取認める 元三井住友銀副支店長

ビット
あ、そのニュース見た。
そうか、現金でも仮想通貨でも、悪い奴は同じことをするんだなあ。
覇音
むしろビットコイン自体はとても安全性の高いものさ。
ビット
へえ。なんで?
覇音
ビットコインが「非中央化」という仕組みを取っているからだよ。
お金は「中央集権」といって銀行や国が管理してるけど、ビットコインは特定の国や組織が管理しているわけではないんだ。
だから、お金は預けていた銀行がつぶれたら引き出せなくなる可能性があるし、国が破たんしたら紙きれになってしまう可能性もあるけど、ビットコインにはそうした心配がないんだ。
ビット
じゃあ誰が管理してるの?
覇音
世界中のビットコインを使ってる人みんなで管理してるんだ。
ビット
え!そんなのだめだよ。悪い奴がビットコインを使い始めたら簡単に盗まれちゃうよ。
覇音
ところが、みんなが見てるから盗めないんだ。
ビットコインは、ビットコインのソフトをダウンロードした人みんなの端末に、今まで取引の全記録が保存されて見られるようになっているんだ。
とても透明性が高いから盗むことができないし、みんなが同じデータを持っているからデータを変えたり破壊することもできないよ。
ビット
えー。情報を隠すんじゃなくて公にすれば盗まれないって、そんな逆転の発想があるとは。
覇音
この公の記録簿のことを「ブロックチェーン」というよ。チェーンで全部の記録が繋がっているっていう意味だよ。
ビット
ふーん。…てちょっと待てよ。そのなんとかチェーンてやつ、「全部のやりとりの記録を誰でも見られる」って言った?
覇音
言ったよ。誰が誰にビットコインを送金したか、全部わかるようになってるんだ。
ビット
えー!なんかさっきからおかしなことばかり言ってるよ。そんなのプライバシーの侵害だよ!
覇音
実際にはアドレスだけが表示されるから、そこから個人を特定することはできないけどね。
ビット
うーん。それでもみんなが見てる中でのやり取りは危ないよ。だって最近では匿名のTwitterアカウントから個人が特定できたりするじゃない。
覇音
特定できないようにするために、ビットコインのやり取りには「公開鍵」と「秘密鍵」というものが使われているよ。これはインターネットでショッピングする時にも使われているもので、とても安全性が高いんだ。
ビット
ふーん。確かにアマゾンで買い物はよくするけど、クレジットカードの情報が途中で盗まれたという話は聞かないなあ。
覇音
詳しくは僕が説明するより、このサイトでわかりやすく説明しているよ。

ビット
そこは丸投げなんだ。わかった、後で見てみる。
覇音
じゃあ次にビットコインのメリットを教えるよ。

通貨に無い、仮想通貨のメリット

覇音
ビットコインには特定の管理する人がいないから、取引手数料がとても安いことが特徴なんだ。銀行で振り込みをしたり、海外にお金を送金しようとすると手数料がたくさんかかるよね。
ビット
うん、毎月の家賃の支払いにかかる振込手数料がけっこう大きいんだよなあ。
あとこの前、海外に送金しようとしたら何千円も手数料がかかって驚いたよ。しかも海外から送金があった時に銀行から電話がかかってきて「これは何のお金ですか?あやしいお金じゃないですか?」って言われて冷や汗をかいた。
覇音
現金を振り込みすると銀行に手間がかかるから手数料が高くなってしまうんだ。
さらに海外送金となるといくつも銀行を経由するから「このお金は大丈夫なの?」って確認の電話がかかってくることがある。
でも仮想通貨には銀行や国は関係ないから、どこからどこへ送ろうがそういった手数料はかからないし、透明性が高いから確認の電話がかかってくることもないんだ。
ビット
へえ、グローバルなんだね。
でもさ、透明性が高いからといって、たまには誰にも見られないうちに取引がされちゃったりしないのかな。ズルして持ってるお金よりたくさん送金できちゃったり。
覇音
そうならないようにするため、取引には第三者の承認が必要なんだ。
ビット
だれが承認するの?
覇音
マイナー(採掘者)さ。

ビットコインの“採掘”

覇音
ビットコインの取引を承認する仕組みはとても面白いんだ。人の欲を利用しているんだよ。
ビット
え?またとんでもない発言がでてきた。
覇音
取引を承認した人は報酬としてビットコインがもらえるんだ。だから取引が発生すると、みんな我先に承認者になろうとする。
ビット
どゆこと?
覇音
じゃあ例で説明するね。

AさんがBさんに1BTC(ビットコイン)を送金しようとしています。

「送金しようとしている」という情報はビットコインのソフトをダウンロードしている世界中の人が見られる状態です。

そのみんなに対してお題が出されます。

お題を見た世界中のマイナーはいっせいにパスワード探しに取り掛かります。

そして10分後。

サル吉さんがパスワードの答えを見つけました。

覇音
こうしてサル吉くんは、AさんからBさんに送金された取引を承認し、賞金75万円を手に入れましたとさ。めでたしめでたし。
ビット
え?いや、めでたいっていうか、なんなのそのゲーム。しかも賞金多すぎない?
覇音
うん、このゲームは鉱物の採掘になぞらえて「マイニング」と呼ばれているよ。マイニングを通して取引を記録していくのがビットコインのシステムの新しいところなんだ。
現金の取引記録をするのは銀行員がお給料をもらってやるものだけど、ビットコインの取引記録は賞金目当てのマイナーがやってるってことだね。
ビット
えええ。それで正常に回るものなの?承認する人がみんなサボっちゃうとかないのかな。
覇音
人に欲がある限り「取引の承認をしたい」という賞金目当ての人は必ず出てくるのさ。
ビット
いや、確かにそうかもしれないけど…。なんかさっきから衝撃的なことばかりだよ。しかも賞金額が大きすぎるよ。取引を承認するだけで75万円って。
覇音
それはビットコインを新規に発行するためさ。
現金は各国の中央銀行が通貨を新しく発行しているけど、ビットコインはマイナーに払う賞金がそのまま新しい通貨発行になっているんだ。
ビット
じゃあ、賞金をあげ続けてたら通貨が発行されすぎちゃうってこと?
覇音
発行量は調整されているよ。
実はビットコインが発明された時に最終的な総発行量も同時に決められたんだ。
だから現金は際限なく発行してあふれ返ると価値がなくなることがあるけど、ビットコインにはそれが無いというのも特徴だね。
ビット
へえ、考えられているなあ。確かジンバブエではお札を印刷しすぎて価値がなくなっちゃったんだよね。

ジンバブエ・ドル、ついに廃止 壮絶なインフレで300000000000000ドル=1円

ビット
でもさ、それじゃあ将来発行しなくなるってことは賞金が0になるってこと?
そしたら誰も取引を承認しようとする人がいなくなるんじゃないかな。
覇音
将来的には、承認した人に手数料を払う仕組みに変わる予定だよ。
ビット
うーん、そうなのか。
まあ将来のことはいいや。ともかく今はそんなに儲かるなら僕もマイニングしなきゃ。
覇音
ビットコインのマイニングは世界中の「業深い者たち」がチームを組んで超高性能なパソコンを使って計算しているから、何も準備しないで賞金稼ぎをするのはとても難しいよ。
ビット
うう、そうなのか。暗算なら得意なんだけどな。
覇音
やりたいならここからソフトをダウンロードすればできるけどね。

ビットコイン・コアをダウンロード

ビット
う、いいや。なんか勝てなそう。
でもいろいろ分かったよ。ありがとう。
覇音
どういたしまして。
ビットコインは最近「通貨」として認められたり、取引に消費税がかからなくなったりして、とても注目されているよ。これからもっと一般的になるだろうね。
ビット
なんか新しい時代の流れがわかったような気がする。今度海外に送金するときに使ってみようかな。
覇音
じゃあ僕は帰るね。
ビット
あっ。

おわりに

当時は仮想通貨といえばビットコインしかないようなものだったので、ビットコインの話を中心に書きました。今では仮想通貨の種類も増え、マイニングがやりやすいコインもあります。パソコンを動かしているだけで仮想通貨が手に入る。気になる方は調べてみてはいかがでしょうか。

〈参考〉
誰も教えてくれないけれど、これを読めば分かるビットコインの仕組みと可能性

「ブロックチェーン」を2分で理解できるムービー

ビットコイン(Bitcoin)とは?

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