自分のやりたいことがわからないときは、まず人生のクローゼットを整理しよう

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誰もが何かを売り込んでいる時代、「自分で選ぶ」力が必要になっています。

成果を出すためには、99%の無駄を捨て1%に集中する必要があります。

つまり、本当に大事なものとそうでないものとを見極め、必要ないものは捨てるということです。

部屋のクローゼットを整理するように、人生のクローゼットも整理する必要があります。

本当にやりたいことを見つける

現代は「欲張りの時代」。欲しいものはなんでも揃っているし、退屈な時にはスマホを開けばいつでも自分の欲しい情報にアクセスすることができます。選択肢が多い時代ともいえるし、その選択肢のそれぞれが「うちが一番!」「大人気!」「今だけ!」と叫んでいる「他人の意見がうるさい」時代でもあります。

みんなが叫んでいることを聞いていると、心がザワザワとしてきて「どれも大事だ」と思うし、「全部やらなきゃもったいない」「頑張れば全部できそうだ」などと焦ったりします。

そうして全部に取り組んでみるものの、どれも中途半端にしかできなくて、後で「なんか振り回されてばかりで、なんにも残りませんでした(*≧艸≦)」と総括することになります。

将来的に実をのこすためには、本当にやりたいことを見極めて、そこに集中する必要があります。惰性で流されるのではなく、「自分で選ぶ力」を身につけるのだ。

いろんなことをいっぺんにやっても結果が出ないのは、力が分散しているからです。右にも左にも進もうとしたら、結局どちらにも進みません。進む方向を一つに絞れば、同じ力でたくさん進むことができます。

力の分散と集中

人生のクローゼットを片付ける

自分のやりたいことを見つけ、さらにそれを諦めないためには、まずはあらゆる選択肢を評価する必要があります。

次に不要なものを捨てなければなりません。そして、その状態をキープしつづけなければなりません。

  • 評価する
  • 捨てる
  • キープする
  • これはクローゼットの片付けと同じで、つまり中にあるものを広げて「いるか」「いらないか」を評価し、いらないものを捨て、綺麗な状態を保っておくということです。

    1.評価する

    クローゼットに詰まっているたくさんの服を評価する基準は、「大好きか?」です。『人生がときめく片付けの魔法』の著者、近藤麻理恵さんは、クローゼットの棚卸をする際には「ときめくか?が重要」だと言いました。

    部屋のクローゼットも、人生のクローゼットも、片付けのポイントは同じだということです。「いつか着るだろう。いつか使うだろう。」というものをとっておいてはいけません。

    そしてもう2つ、基準を設けます。「向いているか」と「人の役に立つか」です。

    選択の基準

  • 「大好きか」
  • 「向いているか」
  • 「人の役に立つか」
  • たとえば私の場合、「文章を書く」ということを優先してやりたいことだと考えています。なぜなら「書くことが好き」だし、「文章を書くことに向いている」し、「ある程度人の役に立っている、かもしれない」からです。

    こんなふうに、自分が何を選択するべきかを評価していきます。評価するには、考える時間が必要です。なんの情報にも触れない、自分一人で静かに考える時間を日常的に持つと良いです。できれば朝一番に。

    朝は、頭にまだ余計なものが入っていないからです。そうしてみてわかる、実はほとんどのものは「ノイズ」であって価値がない、生産的ではないと。

    評価するときに気をつけなければならないことがある。心理学で「サンクコストバイアス」というものと、「授かり効果」と呼ばれるものです。

    「サンクコストバイアス」は、すでにお金や時間を投資してるから、という理由でなかなか手放せない心理状態のことをいいます。

    代表的なのは、投資の「塩漬け」です。一度お金を投資してしまうと、たとえそれが損失を生んだとしてもなかなか手放すことができず、ズルズルと持ち続ける。この状態を「塩漬け」といって、投資をやったことのある人なら誰もがこの心理に悩まされます。

    「授かり効果」もこれと似ていて、すでに持っているものの評価を高めに設定してしまう心理が、人間にはあります。

    こうした心理を乗り越えて、上手に手放すためには、自問してみることです。「これを持っていないとしたら、私は喜んで買うだろうか?」

    2.捨てる

    評価ができたら、次は捨てることです。クローゼットの中身なら容赦なくゴミ箱に入れれば良いですが、人からの頼みごとや、気のすすまない付き合いなどは断るのは難しいですね。

    「ノー」を言うことが難しい理由は2つあります。

    1.本質的なものが見つかっていないから。

    自分が何を大切にするのか明確にしない限り、いろんな選択肢の葛藤に悩まされる、ということがこれからの時代いつまでも付いて回ります。

    本質的なものの探し方は、「1.評価する」のところに書いたとおりです。

    2.他人にどう思われるか心配

    本書では「ノー」も伝え方次第で、むしろ相手との関係性が良好になるといいます。テクニックがいくつか掲載されていたのでご紹介すると、

    1.判断を関係性から切り離す

    断りはするけどあなたが嫌いなわけではない、ということを示します。

    2.直接的に言わない

    「ノー」ではなく「別の用事がある」などと間接的に言うようにします。

    3.自分が何を失うのかを明言する

    何かを手に入れるということは何かを失うということでもあります。こうした考えを「トレードオフ」といいます。

    選択するときはトレードオフを常に意識することが大事です。人生はいつも、「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」です。

    何かを切ることはつらいけど、そうすることでもっと良いものを手に入れることができます。何かを頼まれたとき、「それをやるとこれができなくなります」と言うことで断ることができます。

    4.自分を安売りしない

    キッパリと言うことで相手の敬意を得られることもある。

    5.すぐに返事をしない。

    イエスを言うのをもっと遅く、ノーを言うのをもっと早くしようという話だ。日を改めると冷静な判断がしやすいです。

    6.代替案を出す

    「今日は無理ですが、来週なら」という代案を出す方法です。

    7.冗談めかして断る

    仲のいい相手なら、笑いながら「わりいwww」で済むこともあります。

    「ノー」を言う機会はとても多いです。現代ではみんなが常に、何かを売り込んでいます。本書では、「エッセンシャル思考を実践することはノーを言い続ける生活をすることだ」とも言っています。

    おわりに

    「どれも大事だ」「やらなきゃ」という考えを捨てて、「より少なく、より良く」がこの本の要旨です。

    これは日本人的な考えではないかなあと私は思いました。

    イメージとしては「茶道」。不要なものを一切排除して、でも、こだわりがある。てことを考えると、自分の国のことをちゃんと知っていれば、アメリカ人が書いたこの本を読まなくても良かったんじゃないのか?と今さらながら思ってしまいます。日本はアメリカナイズされすぎてるのかもしれないですね。

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