トランプ大統領はこんなことを考えて政治をするよ、ということがわかる演説の中身。

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2/28にトランプ大統領が初めて施政方針演説を行いました。

いつもの暴言を連発するトランプ節は鳴りを潜め、大統領らしい演説だっとの評判で、トランプ大統領に批判的なメディアであるCNNが行なった世論調査でも「視聴者の7割が『展望は明るい』と答えた」と言います。

トランプ氏の施政方針演説、視聴者の7割が「展望明るい」 | CNN

先日は日本の施政方針演説をまとめましたが、今日は日本の同盟国アメリカの方針も見てみたいと思います。

http://shinyaowari.com/prime-minister-abe-speech ‎

トランプ大統領はこの日、演説会場にいつもと違う格好で現れます。

それはストライプのネクタイをしていたことでした。

いつもは「真っ赤」や「真っ青」な“パワー・ネクタイ”を付けているトランプ大統領です。力を誇示するネクタイですね。

しかし、この日は“わざと”実業家らしさを演出したと言われています。

ネクタイから読み解くトランプ演説 | Market Hack

パワー・タイは(俺様はパワフルなんだぜ!)ということを世間に対して誇示するときにつけるものです。だから大統領選挙の討論会などの場ではパワー・タイは必須です。

しかし今回のトランプ大統領のファッションは「実業家風」でした。

これは暗にトランプが(これから腕まくりして難作業に取り組みます)という決意をシグナルしているのであって、それは謙虚で、へりくだった姿勢と言い直すことも出来ます。

事実、昨日のトランプのスピーチからは、普段の傲慢さが消え、ソフトで、耳触りの良い言葉が聞かれました。

出典:Market Hack

演説の内容も実業家らしい内容でした。

演説の内容を一言でまとめると「アメリカを立て直す」ということです。

実業家として「アメリカは今どういうことで損をしていて、どうしたらもっと利益が得られるか」といったことをメインに話していましたところが印象的でした。

以下はポイントだけまとめたものです。


アメリカの精神を復活させる。

あまりにも長い間、雇用や富が海外に流出してきた。アメリカに自由に外国人が行き来するのを放置したため、薬物がたくさん流入している。アメリカ国民を第一に考えなければならない。

カナダと連携して女性起業家を支援する。

すべてのアメリカ国民に成功してほしい。しかしこれは、混乱した環境では実現しない。そのため、メキシコから移民が勝手に入ってこないように国教に壁を作る。

2001年の同時多発テロの加害者はほとんどがアメリカ国外からやってきた人。入国を無制御に許可することは思いやりではなく、無謀。アメリカに入国できるのはアメリカを愛する人でなければならない。入国審査の改善に取り組み、危害を与える可能性のある人物を追い出す。

ISを地球から一掃する。

オバマ政権では外交政策が失敗して借金が大幅に増えた。アメリカ経済のエンジンを再稼働させなければならない。減税をしてアメリカで事業をしやすくする。

貿易は公正でなければならない。アメリカの企業と労働者がつけこまれることは許さない。

能力の低い移民を受け入れる今の制度から、能力に応じた移民を受け入れる制度に変える。

これまでに中東に6兆ドル費やしてきたが、このお金があればアメリカを2回再建できたはず。再建のために1兆ドル使って数百万人を雇用する。

オバマケア(「みんな保険に入りなさい」という制度)でアメリカの保険料が2桁か3桁増えたから撤廃する。

恵まれない子どもたちが自分に合った教育手段を自由に選べるようになるべき。

貧困の連鎖を断ち切らなければならない。そのためには暴力の連鎖を断ち切らなければならない。そのためには、警察と(対立する事件が多発したけど)協力しなければならない。

メディアや特定の団体に押し殺されてきた人たちが声を上げられるよう、犯罪被害者を支援するオフィスを作る

アメリカを守るために国防費を増やす。

直接的で、強固な同盟関係を結ぶ。同時に公平な負担を要求する。

この演説を見ている皆さんに、自分を信じ、未来を信じ、そしてもう一度、アメリカを信じるようお願いします。


まとめると、今までのお金の使い方と人の移動に対する批判と、弱者を助けるというメッセージが強い演説でした。

一国の大統領というより、会社の社長のようなことを言っていますね。

日本は移民を受け入れないから実感がわきませんが、例えるなら、アメリカは誰でも入社できるようにして風紀が乱れた会社のようだとトランプ大統領は言っているわけです。

だから、これからは人を選びます。試験をしてふるいにかけますということですね。

こう言われると、今まで「移民を受け入れないことは人種差別だ」という意見が強かったものの、移民を規制をするという主張にも一理あるように見えてきます。

「アメリカを立て直す」それはただ良いことばかりを言って大盤振る舞いをする政治ではなくて、会社を経営するように実体的に、堅実に運営していくということだというんですね。

そういった決意が、スピーチからも、ネクタイからも伝わって来る内容でした。

〈参考〉トランプ大統領 初の議会演説 要旨 | NHK NEWS WEB

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